生活空間に溶け込もうとする仏壇自宅の寺院である仏壇は宗教設備です。御本尊の仏像または掛け軸を安置し、ご先祖様を一緒にお祀りすることが目的です。
仏壇を不要と考える方も増えてきましたが、必要とされる方もまだまだおられます。ご家族が亡くなられたことを切っ掛けに、親から受け継いだり、買い直しされることも多いでしょう。建築家に住宅設計を依頼されるお客様の中には、“簡易なかたち”での設置を希望される方、または厳格に“きまりごと”を守った伝統的な仏壇を希望される方、さらには地域の風習やお寺様の仰られることを守る方もおられます。仏教は様々なかたちで日本の生活文化の中に溶け込んでおり、現代の信仰のかたちは多様になっています。
建築家は、住宅の設計時に仏壇を取り込むこともあるはずです。中には伝統的な仏壇を取り入れることが床面積の都合で取り入れることが難しい場合や、目指す空間にそぐわない場合も考えられます。仏壇の“きまりごと”とクライアントの要望など、全ての条件に応じつつ、現代の建築家が生み出す空間に無理なく調和し、溶け込む高品質な仏壇を設計に取り込むことは今までできませんでした。
“凰”は、建築家が提案する空間の中に違和感なく組み込める、工芸品質のオーダーメイド仏壇を提案しています。全国でも屈指の産地である伝統的工芸品「彦根仏壇」を手がけてきた井上仏壇店が、長年に渡って蓄積してきた知識とあらゆる宗派の顧客対応の経験をもって、建築家の皆さんと一緒に作り上げたいと考えています。
お客様の多様な要望に応えつつ空間に似合う高品質な工芸として、宗派はもちろん仏壇の基本を踏まえた伝統素材や現代素材、それらを組み合わせた製造方法まで、柔軟に提案することを目指しています。
仏壇は伝統的な金仏壇や唐木仏壇から、モダンで現代的な家具調まであります。サイズも床に設置する胴長台付きタイプから、キャビネットなどの上に設置する上置きタイプ、ステージタイプまで、どんどんと簡略化しています。生活スタイルに合わせた形に進化し、生活空間に溶け込もうと進化しているようにも見えます。
建築家の皆さんが創造する空間と一体となる形は、顧客が求めるひとつの完成形になりうるかも知れません。